「あ~冷たい」子どもの頃の夏の日、手押しポンプでくみ上げた井戸水の冷たかったこと。
冬は逆に暖かく、くみ上げると外気との温度差で うっすらと湯気が上がっていたことを思い出します。
災害時の臨時給水源としても脚光を浴びている井戸。
田舎(悪い意味ではありません)では井戸水を普段使いしている人も多いですが、
枚方、交野、寝屋川周辺でも井戸を使っている人は少なからずいらっしゃいます。
ある井戸オーナーにお話を聞いてみました。
う~ん、もう15年になるかな my井戸持って…。
ワシの場合は水道水と井戸水を使い分けとるんや。
食べ物に使う水は水道水。
風呂や洗濯、便所の水、洗車や庭の散水は井戸水。
子や孫たちも喜んで使ってるよ。
上下水道代も安くなるし重宝してるで。
夏に井戸水でスイカ冷やしとくからあんたも食べにおいで……。
『井戸なんて自分とは無縁』と考える人が多いようですが、
意外と簡単に井戸のオーナーになることができるとしたら、
あなたはどうしますか…?
さく井工事の状況写真
工事後の井戸地上部
左:ポンプ制御装置 右:ろ過装置
一般的な個人設置の井戸(掘削口径200mm程度 深さ30m程度)について解説していきましょう。
井戸の設置にあたって検討しなくてはならない項目は4つあります。
設置場所の自治体の規制を受けます。
(大阪府条例、枚方市、大東市等条例 等)
枚方市では新しく井戸を掘るときには届出が必要で、採取にも規制があります。
交野市、寝屋川市では独自条例はなく、大阪府の条例に従うことになります。
吐出口の面積が6cm2を超えるものについては、
府に事前の届出と1年に1回、前年1年間に汲み上げた水の量を
報告しなければなりません。
設置場所として3m四方のスペースを確保でき、
道路から2m幅の掘削機械の進入路が確保できる場所であること。
実際の設置場所の例
掘削機写真
飲用を除く一般的な井戸では10~12項目程度の検査を行って使用することが多いようです。
使用用途によりクリアーすべき項目は変わります。
一般細菌、大腸菌、塩化物イオン、有機物(全有機炭素の量)、PH値、味、臭気、色度、濁度、鉄及びその化合物、硬度(カルシウム、マグネシウム等)、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素……
水道水の場合、50項目と厳しい検査が行われていて、検査費用も高額です。
掘削口径200mmの掘削径で30m程度の井戸を設置する場合、200万円程度です。
但し 井戸の仕様 ろ過装置の有無、仮設工事の有無によって値段は変わります。
建物内等への配管工事は別途となります。
以上4点すべてをクリアーできれば、あなたも今すぐ井戸オーナーの仲間入りができます。
個人だけではなく法人にも経費削減が期待できる井戸。
時代を超えて良いものは残るんですね。
いや~井戸って… ホントにいいもんですよ!!
井戸水と温泉の違いはという質問をよく受けますので温泉の定義についてお話します。
1か2の、どちらか1つを満たしていれば温泉と名乗ることができます。
つまり、温度が25度なくても1つ成分を満たしていれば、井戸水でも温泉と呼べてしまうのです。
井戸水と温泉は紙一重の差です。